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空想イノベーション

コンピュータが知識を得ることの難しさ

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機械翻訳自体は、人工知能が始まって以来、長く研究が続いている分野だが、1970年代までは, 翻訳のための文法規則や辞書を主に手作業で整備する方式である、ルールベース機械翻訳が一般的だった。
それから1990年代以降は、統計的機械翻訳が主流となり、翻訳性能が大幅に向上したと言われている。
しかし、それでもまだ、実用レベルに達してはいなかった。

理由は、コンピュータ自身が意味を理解していなかったためだ。

しかし、人間は文章から状況を把握することができる。
人間が持つ、常識や経験に基づいて判断することができるためだ。

こういった一般常識や知識をコンピュータに教える作業が必要になるが、その量が膨大すぎて非常に困難であることが、Cycプロジェクトの状況などからも判断できる。
このように、コンピュータが常識を獲得する難しさを、知識獲得のボトルネックと呼んでいる。

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なお、2016年11月にGoogleが発表したGoogle翻訳では、ニューラル機械翻訳が利用されている。
これはディープラーニングによって実現されており、これまでにない品質の翻訳が実現できるようになった。
ニューラル機械翻訳は人間が言葉を理解するのと同じような構造で翻訳を行うといわれ、TOEIC900点以上の人間と同等の翻訳ができるようになった、と言われている。